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コラム

たった一本の色で、今日の自分が好きになる

笑顔がうまくつくれない。写真を撮ると、いつもどこか表情がこわばってしまう。そんな声を、サロンでよく耳にします。けれどそれは、決してその人の性格のせいではなく、日本という土地に根づいた、少し古い習慣の名残なのかもしれません。

日本には、場の空気を読むことを大切にする文化があります。
自分の感情を大きく表に出すより、穏やかに、静かに、まわりに合わせる。
そのほうが美しいとされてきた、長い歴史があります。
女性はとくに、「おしとやかに」「控えめに」と育てられ、
笑うときも声を上げず、ほんのり微笑むことが“良い所作”だとされました。

そのせいでしょうか、いまでも多くの人が「笑顔に自信がない」と感じています。
急に「笑ってください」と言われても、
表情の筋肉がうまく動かず、ぎこちなくなる。
それは、ごく自然なことだと思うのです。

では、そんな苦手意識をどうほどいていけるのか。
その答えのひとつが、じつは「口元」にあります。
大げさなことではなく、
ほんの少しだけ、唇に色をのせるという、小さな工夫です。

口紅には、くすみや色ムラをやわらげ、唇の輪郭をそっと整えてくれる力があります。
色が入ることで、顔全体の印象がふんわりと明るくなり、

「あ、今日の自分、ちょっといいかも」と思える瞬間が生まれます。

その小さな実感が、人を前向きにしてくれるのだと、日々の施術の中で感じています。

また、人が相手の表情を読むとき、目と同じくらい口元を見ているといわれます。
口元に血色があるだけで、たとえ笑っていなくても、どこか優しげで、親しみやすい印象になります。
これは、日本人の控えめな表情と、とても相性の良い変化です。

さらに、口紅を塗るとつい口角の位置を意識し、自然と、ほんの少しだけ上がります。
それだけで、鏡に映る自分の表情がやわらぎ、気持ちまで軽くなることがあります。
外側から整えることが、内側に作用する。
そんな変化を、これまで何度も見てきました。

そして何より、似合う色に出会ったときの輝きは、やはり特別です。
肌が明るく見えたり、新しい自分の魅力が発見できたり。
それは大げさではなく、ひとつの“自信”として心に残ります。

笑顔を練習しなくてもいいし、無理に明るくふるまう必要もありません。
口元にそっと色を添えるだけで、表情がやわらぐことがあります。
BEAUTYMAPの口紅分析は、そんな小さな勇気をそっと後押しする場所でありたいと思っています。

昨日は、麻布台ヒルズで開催されたVeuve Clicquot Bold Woman Award に参加してきました。

会場には、さまざまな分野で活躍する女性たちが集まり、その姿や言葉にたくさんの勇気をもらいました。
挑戦し続ける女性の美しさに触れ、「私ももっとお客様を笑顔にしたい」と強く思えた夜でした。

帰りは麻布台ヒルズのクリスマスマーケットへ。

ようやく金曜日ですね。
週末はゆっくりされてくださいね。
レッスンにお越しのみなさまもどうぞお気をつけてお越しくださいませ。

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